3D CAD/CAM/CAEのFusion360の穴コマンドの点上(単一穴)とスケッチを参照(複数の穴)の使い方を紹介します。
穴コマンドを使って穴のモデリング
通常2Dで輪郭をスケッチして、その輪郭を3D化しますが、穴コマンドを使うことで2Dのスケッチをせず、穴のタイプの選択と寸法入力で、あな穴形状を3D化することができます。
作成できる穴の設定は
- キリ穴
- ざぐり穴
- 皿面取り
- ねじ穴
- テーパねじ穴
- 底面角度
です。
穴コマンドは、ツールバー、作成メニュー、ショートカットから選択することができます。
穴コマンドを選択するとメニューが表示されるので必要な情報を入力します。
配置の選択
穴コマンドのメニューにある緑枠部の配置の選択です。
左側の点上(単一の穴)を選択すると
モデルにある点を選択、モデルの面上をフリーで選択することができます。
選択できる穴位置は1か所で、1か所穴の形状を作成することができます。
右側のスケッチを参照(複数の穴)を選択すると
モデルにスケッチされた点を選択することができます。
選択できる穴位置は複数で、複数の穴形状を作成することができます。
点上(単一の穴)はスケッチが不要です。
スケッチを参照(複数の穴)はスケッチが必要です。
スケッチがあるとモデルの円中心や交点の選択ができます。
点上(単一の穴)を使った穴位置設定
点上(単一の穴)を使った穴位置の設定です。
スケッチが不要で、モデルの面や点を選択して穴位置を設定します。
面や点を選択後はモデルの線分からの距離設定やスケッチで作成された点の選択もできます。
緑枠部の点上(単一の穴)を選択します。
点上(単一の穴)を選択したら
表示されている面や点を選択します。
(適当に面を選択しました。)
面や点を選択すると穴が表示されます。
点を選択すると点の位置に穴設定ができます。
(スケッチで作成した点、モデルの交点など選択できます)
線を選択すると
線からの距離を設定できます。
距離を入力すると
選択した線から入力した距離へ移動します。
もう一か所設定できます。
(45mmから10mmに変更してみます)
設定した数値は参照に表示されます。
円を選択した場合
円中心へ移動します
これで点上(単一の穴)を使った穴位置設定の説明は終わりです。
スケッチを参照(複数の穴)を使った穴位置設定
スケッチを参照(複数の穴)を使った穴位置の設定です。
スケッチが必要で、作成したスケッチの点、交点、円の中心点を選択して穴位置を設定します。
スケッチがないと選択ができませんが、スケッチがある面はモデルの交点、円中心点の選択もできます。
緑枠部のスケッチを参照(複数の穴)を選択します。
スケッチを参照(複数の穴)を選択してもスケッチがないと穴位置を選択することができません。
スケッチがあると
スケッチの点、モデルの交点、モデルの円中心など選択ができます。
点を選択すると穴が表示され
橙枠部のスケッチ点に選択数が表示されます。
スケッチを参照(複数の穴)を使った穴位置設定の説明は終わりです。
シェイプの設定
シェイプの設定で穴の形状を設定します。
範囲で穴の深さを設定します。
- 距離
- 終点
- すべて
から選択します。
穴のタイプで穴の上面を設定します。
から選択します。
ねじ穴のタイプで穴の内面を設定します。
- 単純
- クリアランス
- ねじ穴
- テーパねじ穴
から選択します。
先端角度で穴の底面を設定します。
- フラット
- 角度
から選択します。
範囲の設定
範囲の設定で穴の深さを設定します。
距離
距離を選択した場合、深さを入力して深さを設定します。
入力した数値が穴深さになります。
モデルより深い数値の入力をして貫通もできます。
終点
終点を選択した場合、点や面など終点を選択して深さを設定します。
横から空いてる穴の点を選択すると
横から空いてる穴と面一深さになります。
スケッチの点や
ボディの底面を選択できます。
面をチェーン
面をチェーンを選択すると面を選択したときにチェーンされます。
面をチェーンしないでボディ底面を選択した場合貫通します。
点線が穴深さになります。
面をチェーンしてボディ底面を選択した場合貫通しません。
点線が穴深さになります。
すべて
全てを選択した場合、穴深さの設定はありません。
平らな面でも
段付きの面でも貫通します。
穴のタイプ
穴のタイプで穴の上面を設定します。
単純
単純を選択すると上面に何もないキリ穴が作成されます。
ざぐり
ざぐりを選択すると上面にざぐりが作成されます。
設定する内容は
- 下穴深さ
- ざぐり径
- ざぐり深さ
- 下穴径
です。
皿面取り
皿面取りを選択すると上面に皿面取りが作成されます。
設定する内容は
- 下穴深さ
- 皿面取り径
- 皿面取り角度
- 下穴径
です。
角度は0超え180未満で設定します。
30度で設定した画像です。
ねじ穴のタイプ
ねじ穴のタイプで穴の内面を設定します。
単純
単純を選択すると内面に何もないキリ穴が作成されます。
クリアランス
クリアランスを選択すると、設定した穴の規格で穴が作成されます。
穴のタイプの、下穴径、ざぐり径、座ぐり深さ、面取り径などに数値が反映されます。
標準
標準で規格を設定します。
- Ansi Metric M Profile
- Ansi Unified Screw Threads
- DIN
- GOST
- ISO
- JIS
から選択します。
締結タイプ
締結タイプでねじの種類を選択します。
単純、ざぐり穴、面取りで選択できるねじの種類が変わります。
サイズ
サイズでねじのサイズを選択します。
標準、締結タイプで選択できるねじの種類が変わります。
フィット
フィットで下穴のサイズを変更します。
サイズをM10 フィットをCloseで選択した場合
下穴径が10.5mmになります。
サイズをM10 フィットをNormalで選択した場合
下穴径が11.0mmになります。
サイズをM10 フィットをLooseで選択した場合
下穴径が12.0mmになります。
ねじ穴
ねじ穴を選択すると、設定したねじの規格で穴が作成されます。
穴のタイプの、下穴径に数値が反映されます。
ねじのタイプ
ねじのタイプでねじのタイプを選択します。
サイズ
サイズでねじのサイズを選択します。
選択したねじのタイプで表示されるタイプが変わります。
表示記号
表示記号でねじピッチを選択します。
クラス
クラスでねじ等級を選択します。
方向
方向でねじの方向を選択します。
モデル化
モデル化にチェックを入れると内面にねじのモデルが作成されます。
モデル化しない場合、ねじの画像は表示されていますが面のままです。
モデル化した場合、面にねじが作成されます。
テーパねじ穴
ねじ穴を選択すると、設定したテーパねじの規格で穴が作成されます。
ねじのタイプ
ねじのタイプでねじのタイプを選択します。
サイズ
サイズでねじのサイズを選択します。
選択したねじのタイプで表示されるタイプが変わります。
表示記号
選択する項目がないので設定はそのままになります。
方向
方向でねじの方向を選択します。
先端角度
先端角度で穴の底面を設定します。
フラット
フラットを選択すると底面が平らな穴が作成されます。
角度
角度を選択すると底面の角度設定ができます。
角度は0超え180未満で設定します。
切り取るオブジェクト
切り取るオブジェクトで穴を作成するオブジェクトを選択します。
画像のように穴をあける位置に複数のボディがあった場合
切り取るオブジェクトに3つのボディが表示されます。
切り取るオブジェクトに表示されたボディにチェックを入れると
チェックを入れたボディに穴が作成されます。
チェック入れていないボディ1に穴が作成されず
チェックを入れたボディ2と3に穴が作成されました。
3D CAD Fusion360モデリング動画
今回の記事と同じモデリングの練習をした動画です。
最後に
このページを見ると設定の種類、組み合わせが多く大変そうに感じますが、実際の作業では直感的に操作して作業を進めることができます。
分からないことができて気になったときに調べる程度で良いかと思います。
