3dcadと3dプリンタでスクリュージャッキ作成

3Dプリンターを使って作りたいモノをプリントするにはSTL形式の3Dデータが必要になります。

STL形式の3Dデータは
3D CADを使って自分で作成したデータをSTL形式の3Dデータに変換したり、
他の人が作成したSTL形式の3Dデータをダウンロードしたりして用意します。

3D CADは、Fusion 360が個人の非商用利用であれば無料で利用できて
3Dデータのダウンロードサイトから無料や有料でダウンロードすることができます。

FUSION360を使ってモデリングをしてSTL形式の3Dデータを作成し、プリントをしてみます。
使用しているプリンターはPrusa i3 MK3Sです。

こちらのページに特徴など書いてあります。

3Dデータ無料サイトを使って3Dプリンターで造形する方法はこちらです。

3D CADを使ってモデルの作成

今回はスクリュージャッキをプリントしてみます。

モデリングの説明を短縮するために面取りの工程は省いてあるので必要に応じて面取りをしてください。

おねじ側のモデリング

緑枠部のスケッチを作成を選択して
橙矢印部の平面を選択します。
(XY平面を選択しました。)

Fusion360スケッチを開始と平面を選択

平面を選択したら
緑枠部の中心と直径で指定した円を選択して
橙矢印部の中心を選択して円を作成します。
(Φ20の円を作成しました)

Fusion360中心を選択して円を作成2

円を作成したら
緑枠部のスケッチを終了を選択します。

Fusion360スケッチを終了を選択2

スケッチを終了を選択したら
緑枠部の押し出しを選択
橙矢印部のプロファイルを選択
赤枠部に5を入力してエンターを押します。

Fusion360押し出しを選択してプロファイルを選択3

5を入力してエンターを押したらモデルを動かして形状の確認をします。

Fusion360押し出し後のモデル確認3

形状の確認をしたら
緑枠部のスケッチを作成を選択して
橙矢印部のモデル上面を選択します。

Fusion360スケッチを作成とモデル上面を選択2

モデル上面を選択したら
緑枠部の中心と直径で指定した円を選択して
橙矢印部の中心を選択して円を作成します。
(Φ8の円を作成しました)

Fusion360モデル上面の中心を選択して円を作成3

円を作成したら
緑枠部のスケッチを終了を選択します。

Fusion360モデル上面のスケッチ後スケッチを終了を選択2

スケッチを終了を選択したら
緑枠部の押し出しを選択
橙矢印部のプロファイルを選択
赤枠部に1を入力してエンターを押します。

Fusion360スクリュージャッキの逃げをモデリング2

1を入力してエンターを押したらモデルを動かして形状の確認をします。

Fusion360押し出し後のモデル確認4

形状の確認をしたら
緑枠部のスケッチを作成を選択して
橙矢印部のモデル上面を選択します。

Fusion360スケッチを作成とモデル上面を選択3

モデル上面を選択したら
緑枠部の中心と直径で指定した円を選択して
橙矢印部の中心を選択して円を作成します。
(Φ10の円を作成しました)

Fusion360モデル上面の中心を選択して円を作成4

円を作成したら
緑枠部のスケッチを終了を選択します。

Fusion360モデル上面のスケッチ後スケッチを終了を選択3

スケッチを終了を選択したら
緑枠部の押し出しを選択
橙矢印部のプロファイルを選択
赤枠部に19を入力してエンターを押します。

Fusion360スクリュージャッキのネジ部をモデリング

19を入力してエンターを押したらモデルを動かして形状の確認をします。

Fusion360押し出し後のモデル確認5

モデルを動かして形状の確認をしたら
緑枠部の作成を選択して
橙枠部のねじを選択します。

Fusion360でおねじを作成

ねじを選択したら
緑矢印部のねじを作成する面を選択
橙枠部のモデル化をチェック
赤枠部のOKを選択します。

Fusion360スクリュージャッキのねじをモデリング3

モデル化にチェックを入れないと、ねじ形状が作成されません。
Fusion360ねじのモデル化チェックありとチェックなしの違い2

これでおねじ側の3Dデータができました。

スクリュージャッキのモデルと断面図2

めねじ側のモデリング

緑枠部のスケッチを作成を選択して
橙矢印部の平面を選択します。
(XY平面を選択しました。)

Fusion360スケッチを開始と平面を選択

平面を選択したら
緑枠部の中心と直径で指定した円を選択して
橙矢印部の中心を選択して円を作成します。
(Φ10とΦ20の円を作成しました)

Fusion360中心を選択して円を作成

円を作成したら
緑枠部のスケッチを終了を選択します。

Fusion360スケッチを終了を選択

スケッチを終了を選択したら
緑枠部の押し出しを選択
橙矢印部のプロファイルを選択
赤枠部に20を入力してエンターを押します。

Fusion360押し出しを選択してプロファイルを選択2

20を入力してエンターを押したらモデルを動かして形状の確認をします。

Fusion360押し出し後のモデル確認

形状の確認をしたら
緑枠部のスケッチを作成を選択して
橙矢印部のモデル上面を選択します。

Fusion360スケッチを作成とモデル上面を選択

モデル上面を選択したら
緑枠部の中心と直径で指定した円を選択して
橙矢印部の中心を選択して円を作成します。
(Φ15の円を作成しました)

Fusion360モデル上面の中心を選択して円を作成

円を作成したら
緑枠部のスケッチを終了を選択します。

Fusion360モデル上面のスケッチ後スケッチを終了を選択

スケッチを終了を選択したら
緑枠部の押し出しを選択
橙矢印部のプロファイルを選択
赤枠部に-14を入力してエンターを押します。

Fusion360スクリュージャッキの逃げをモデリング

-14を入力してエンターを押したらモデルを動かして形状の確認をします。

Fusion360押し出し後のモデル確認2

モデルを動かして形状の確認をしたら
緑枠部の作成を選択して
橙枠部のねじを選択します。

Fusion360でめねじを作成

ねじを選択したら
緑矢印部のねじを作成する面を選択
橙枠部のモデル化をチェック
赤枠部のOKを選択します。

Fusion360スクリュージャッキのねじをモデリング

モデル化にチェックを入れないと、ねじ形状が作成されません。

Fusion360ねじのモデル化チェックありとチェックなしの違い

これでめねじ側の3Dデータができました。

スクリュージャッキのモデルと断面図

追加工

ここまででスクリュージャッキは完成しているのですが味気ないので
おねじ側に穴、めねじ側にローレットを追加します。

おねじ側

おねじ側に調整用の穴を追加します。

緑枠部の構築を選択して
橙枠部の接平面を選択します。

Fusion360 構築の接平面を選択

接平面を選択したら
緑矢印部の円柱面を選択して
橙枠部に角度を入力します。
とくに位相がないので0にします。

Fusion360 接平面の条件を入力

角度を入力したら
緑枠部の基準平面を選択
橙枠部で原点を表示
赤矢印部で基準になる平面を選択してエンターを押します。
(見えにくいです)

Fusion360 接平面設定

基準になる平面を選択してエンターを押したら
緑枠部のスケッチを作成を選択して
橙矢印部の作成した平面を選択します。

Fusion360 接平面にスケッチを作成

作成した平面を選択したら
緑枠部の中心と直径で指定した円を選択して
橙矢印部の中心を選択して円を作成します。
(Φ3の円を作成しました)

Fusion360モデル上面の中心を選択して円を作成5

円を作成したら
緑枠部のスケッチを終了を選択します。

Fusion360スケッチを終了を選択3

スケッチを終了を選択したら
緑枠部の押し出しを選択
橙矢印部のプロファイルを選択
赤枠部に-3を入力してエンターを押します。

Fusion360押し出しを選択してプロファイルを選択4

-3を入力してエンターを押したらモデルを動かして形状の確認をします。

Fusion360押し出し後のモデル確認6

モデルを動かして形状の確認をしたら
緑枠部の押し出しを選択
橙枠部の作成を選択
赤枠部の円形状パターンを選択します。

Fusion360押し出しフィーチャーを円形状パターンで選択

円形状パターンを選択したら
緑枠部の軸を選択
橙矢印部の円柱側面を選択
赤枠部に4を入力してエンターを押します。

Fusion360円形状パターンで軸と円柱を選択2

4をを入力してエンターを押したら
モデルを動かして形状の確認をして問題がなければ追加工のモデリングは終わりです。

Fusion360スクリュージャッキのおねじ完成

めねじ側

めねじ側にローレットを追加します。

緑枠部のスケッチを作成を選択して
橙枠部のコイルを選択します。

Fusion360ローレット作成用にコイルを選択

コイルを選択したら
緑矢印部の上面を選択
橙矢印部の中心を選択
赤枠部に20を入力します。

Fusion360ローレット作成用条件入力

20を入力したら以下のように設定します。
(プロファイルと直径は先ほど設定したものです)

  • プロファイル
    モデル上面
  • タイプ
    回転と高さ
  • 直径
    20.0mm
  • 回転
    0.1
  • 高さ
    -5mm
  • 角度
    0deg
  • 断面
    三角(内部)
  • 断面の位置
    中心
  • 断面サイズ
    1
  • 操作
    切り取り

設定をしたらOKを選択します。

Fusion360ローレット作成用詳細条件

OKを選択したらモデルを確認します。

Fusion360ローレット作成後のモデル確認

モデルを確認したら
緑枠部のコイルを選択
橙枠部の作成を選択
赤枠部の矩形状パターンを選択します。

Fusion360でローレットの原型を矩形パターン化

矩形状パターンを選択したら
緑枠部の方向を選択
橙矢印部のZ軸を選択します。

Fusion360で矩形パターンの方向を選択

Z軸を選択したら
緑枠部に2を入力
橙枠部に15を入力
赤枠部の最適化を選択してOKを選択します。

Fusion360で矩形パターンの数量と距離を入力2

最適化を選択してOKを選択したらモデルを確認します。

Fusion360で矩形パターン後のモデルを確認

モデルを確認したら
緑枠部のコイルと矩形状パターンを選択(Ctrtキーを押しながら)
橙枠部の作成を選択
赤枠部のミラーを選択します。

Fusion360ローレット作成にミラーを使用3

ミラーを選択したら
緑枠部の対称面を選択
橙矢印部の対称面を選択
赤枠部の最適化を選択してOKを選択します。

対称面が見にくいですがXZ平面を選択しました。

Fusion360でミラーを使うときの対称面選択

最適化を選択してOKを選択したらモデルを確認します。

Fusion360でミラーを使った後のモデル確認2

モデルを確認したら
緑枠部のコイル、矩形状パターン、ミラーを選択(Ctrtキーを押しながら)
橙枠部の作成を選択
赤枠部の円形状パターンを選択します。

Fusion360でコイルとミラーを選択して円形パターン3

円形状パターンを選択したら
緑枠部の軸を選択
橙矢印部の回転軸(Z軸)を選択します。

選択する回転軸は円柱側面でも可能です。

Fusion360で円形パターンの回転軸を選択3

回転軸(Z軸)を選択したら
緑枠部にパターン化する数を入力
赤枠部を最適化を選択してOKを選択します。

Fusion360でローレット作成時の円形パターンの条件入力2

パターン化する数の10、20,30の違いです。
今回は20にします。

Fusion360でローレット比較2

最適化を選択してOKを選択したらモデルを確認します。

Fusion360で円形状パターンを使った後のモデル確認

モデルを確認したら
緑枠部の作成を選択
橙枠部の点を選択します。

Fusion360で作成を選択して点を選択

点を選択したら適当な位置に点を作成します。

Fusion360で適当な位置に点を作成

点を作成したら
緑枠部のスケッチ寸法を選択して寸法を入力します。
中心から9.75mm、端面から5.0mmにします。

Fusion360で点の位置に寸法入力

寸法を入力したら
緑枠部の線分を選択
橙矢印部の点を基準に適当に三角形を作成します。

Fusion360で点を基準に三角形を作成

三角形を作成したら
緑枠部の水平/垂直を選択
橙矢印部の線を選択
赤枠部の等しいを選択
青矢印部の線を選択し拘束をします。

Fusion360で三角形に垂直と等しいの拘束

拘束をしたら
緑枠部の三角形を選択(Ctrtキーを押しながら3つの線を選択)
橙枠部の移動/コピーを選択します。

Fusion360で三角形をコピー

移動/コピーを選択したら
緑枠部のコピーを作成にチェック
橙枠部に-10を入力します。

Fusion360で三角形をコピーに必要な情報入力

コピーを作成したら

緑枠部のスケッチを終了を選択します。

Fusion360でスケッチを終了を選択

スケッチを終了したら
緑枠部の回転を選択
橙枠部のプロファイルを選択
赤矢印部の三角形を2か所選択します。

Fusion360で回転を選択してプロファイルを選択

三角形を2か所選択したら
緑枠部の軸を選択
橙矢印部のZ軸を選択してOKを選択します。

Fusion360で回転を選択して回転軸を選択

軸を選択してOKを選択したらモデルを動かして形状の確認をして問題がなければ追加工のモデリングは終わりです。

Fusion360でスクリュージャッキのめねじ完成

STLファイルの作成

モデルを作成したら
緑枠部のコンポーネントで右クリック
橙枠部のSTL形式で保存を選択します。

Fusion360でSTL形式で保存を選択

形式

STL形式で保存を選択したら
緑枠部の形式でバイナリかASCIIの選択をします。

Fusion360でSTL形式のバイナリとASCIIの選択

バイナリで保存すると容量が小さく
ASCII容量が大きくなります。

Fusion360でSTL形式のバイナリとASCIIの容量の違い

ASCIIで保存した場合、エクセルなどで開くことができますが
バイナリで保存したファイルは文字化けしてしまいます。

Fusion360でSTL形式のバイナリとASCIIの違い

リファイメント

形式の選択をしたら
緑枠部のリファイメントの品質の選択をします。

Fusion360でSTL形式のリファイメントオプションの選択

STL形式のリファイメントオプションの高中低の違いです。

※プリント時間と使用フィラメントはモデルが小さくて差が見えなかったので、寸法係数500%での計算です。

STL形式のリファイメントオプションの高中低の違い
三角形の数 19,368 9,944 5,094
容量 946KB 486KB 249KB
プリント時間 17h49m 17h50m 17h50m
使用フィラメント 38.98m 39.00m 38.94m

STL形式のリファイメントオプションの高中低の三角形の数の違いです。

STL形式のリファイメントオプションの高中低の三角形の数の違い

STL形式のリファイメントオプションの高中低の容量の違いです。

STL形式のリファイメントオプションの高中低の容量の違い

STL形式のリファイメントオプションの高中低のプリント時間、使用フィラメント量の違いです。
※モデルが小さくて差が見えなかったので、寸法係数500%での計算です。

STL形式のリファイメントオプションの高中低の使用フィラメント量の違い

出力

緑枠部の3Dプリントユーティリティに送信にチェックを入れてソフトを選択すると、選択したソフトに直接データを送ることができます。

Fusion360でSTL形式の3dプリントユーティリティに送信

保存

今回はバイナリの中で保存します。

Fusion360でSTL形式で保存

自分の利用しているスライスソフトのprusa slicerは、ファイル名に日本語が入っているとエラーがでます。

プルサスライサー日本語で保存できない

これで3Dプリンターを使って造形をするのに必要なSTL形式の3Dデータが作成できました。

3DデータをGコードに変換

3Dデータが用意出来たらスライサーというソフトを使ってプリントする条件を設定してGコードに変換します。

このページでは簡単に紹介します。
こちらのページに詳しく書いてあります。

STLファイルをスライサーソフトで開きます。

STLファイルをスライサーソフトで開く

STLファイルを開いたら

緑枠部で積層ピッチ
橙枠部で素材
赤枠部でモデル内部の充填密度を選択して
青枠部のスライス実行を選択します。

スライサーソフトでGコード作成

スライス実行を選択すると

シミュレーション値が表示されるので問題がなければ
緑枠部のGコードをエクスポートを選択します。
(Gコードは3Dプリンターを動かすプログラムです。)

スライサーソフトでGコードのエクスポート

GコードをSDカードに保存して、SDカードを3Dプリンターに接続をして造形をします。

動画

コスト

今回のスクリュージャッキを作成するのにかかったコストです。

    積層0.15mmと積層0.3mmのスライス情報です。

  • 積層0.15mm
    使用フィラメント2.0m
    プリント時間1h6m
  • 積層0.3mm
    使用フィラメント2.06m
    プリント時間35m

なので
積層0.15mmの場合フィラメントが10.8円、電気代が2.64円
積層0.3mmの場合フィラメントが11.1円、電気代が1.4円
になります。

※フィラメントは1m5.4円、電気代は1h2.4円で計算しています。

3dプリンタでスクリュージャッキを作ったときのコスト

今回使ったフィラメントはPLAでamazonで一番安いフィラメントです。
治具、取り付け具、工具などに使えるフィラメントもあるみたいなので後ほど試してみようと思います。

最後に

モデリングの説明が長く大変そうに見えますが、下の画像のように簡単なものであれば

  1. 円を作成
  2. 押し出し
  3. 円を作成
  4. 押し出し
  5. ねじ

3つのコマンド、5手順で慣れてしまえば1分以下で作成することができます。

Fusion360で簡単に作ったスクリュージャッキ

今回は補正をせずにプリントしたところネジが入らなかったのでタップとダイスを使ってねじをさらいました。

今度プリントの積層や補正を使ってネジをさらわずに入るように調整してみようと思います。