タップを使って手作業でねじ切り加工

折ってしまいやすい小径タップとタップハンドルを使って手作業でねじ切り加工の練習と中古タップの切れ味を確認する作業を紹介します。

小径のタップに限らず出来る事なら機械で加工をして終わりにしたいのですが、どうしても手作業で加工をすることがあります。

手作業でねじ切り加工をする時の感覚ですが
M4以下 精神的な疲れ
M5~M10 材質によっては 精神的な疲れ、体力的な疲れ
M12以上 体力的な疲れ
だいたいこんな感じです。

タップを使ったネジ切り加工には
タップハンドルを使って手作業
逆転機能を使ったボール盤加工
タッパーチャックを使った機械加工
などあり、M5以上であれば折れる心配なく加工することができますが、M4以下になってくると折れてしまう心配をします。

機械加工の場合だとタップが折れた。となるのですが、
手作業の場合だと作業者がタップを折った。
みたいな感じになってしまいます。

小径になるとどうしても折れてしまう事がありますが、練習することで折れてしまう頻度を減らすことが出来ます。

タップの切れ味を見た目で判断

下の写真はM2×0.4の表面処理が施さたポイントタップでSUS303の加工に使った中古です。
写真だと分かりにくいですが、どっちかが切れないタップです。

M2タップの比較

上のタップは欠けているのが分かり、上のタップの方が切れないタップと判断してしまいそうですが、下のタップが切れないタップです。
切れない原因が自分には、はっきり分かりませんが、摩耗してか薄らと素材の色が出ています。

表面処理が施さたタップは、表面処理が剥がれて素材の色が出て来るので見た目で判断が付きやすいです。

表面処理の剥がれたタップ
(表面処理が剥がれて素材が見えているタップを用意したのですが、うまく写真をとることが出来ませんでした)

上のタップが新品で下のタップが中古のタップです。
下のタップはツヤが無くなり、表面処理が剥がれて素材が見えています。

新品タップと中古タップの比較

表面処理の無いタップです。
下のタップが新品で上のタップが中古のタップです。
欠けているのは分かりますが、表面処理が施さたタップに比べると判別が難しいです。

ノーコートタップ比較

端材を使ってタップの切れ味を確認

冶具の加工や少数の加工、ちょっとした手作業で加工をする時は新品のタップを使わず中古のタップを使うことがあります。

見た目での判別が難しい場合、加工する材質と同じ材質の端材にテスト加工をします。
下の画像はボール盤にタップを取り付けて手作業でネジ加工の練習をした材料ですが、こんな感じのものを作ってタップハンドルを使って手作業で切れ味を確認します。

タップ加工食いつきの練習

小径タップを手作業で加工する時は絶対に力を使ってはいけません。
タップ加工用の油を使い、耳で聞こえる音、手から伝わってくる音、落ちてくる切れ味を意識して異変を感じた場合、めんどくさがらずにタップを加工物から抜いて穴、タップの清掃をして穴の内部、タップの外観を確認しましょう。

手作業時は自分の体の方に力を加えてしまいやすいです。
自分の手を機械の軸のように意識してタップの軸に対して垂直に回します。

小径、深穴などの加工で固形のタッピングペーストを使うときはシリンジを使うと便利です。
3本で200円~300円程なので私物で持ていてもいいと思います。

 

シリンジを使ってタッピングペーストを注入

工具代を節約するために中古タップを使用するのですが、ここで折ってしまっては工具代の節約程度では回収できない損失を出してしまう場合があるので、判別が難しい場合は無理をせず新しいタップで加工しましょう。

タップの切れ味を確認する時の注意

タップの切れ味を確認するときはタップの種類に注意が必要です。

同じサイズのタップでも、タップの種類でねじを切る感覚が違います。
特にロールタップはスパイラルタップ、ポイントタップよりトルクが必要でスパイラルタップ、ポイントタップの感覚で作業しても固く感じてしまい切れないタップと勘違いしてしまいます。

逆にロールタップの感覚で切れなくなってしまったスパイラルタップ、ポイントタップを作業するとタップを折ってしまいます。

タップの種類3種

ハンドタップの先タップ、中タップ、上タップでもねじを切る感覚が違います。

処分するタップを使って折れる感覚を覚える

手作業でタップ加工をするとき、折ってしまわないように声を掛けられると思いますが、実際にタップを折ってみないとタップが折れる感覚が分かりません。
処分するタップと端材を使ってタップが折れる感覚を覚えます。

切味が落ちて折ってしまう場合の他に、止まり穴で底付きして折ってしまう場合もあるので止まり穴で底付きまでタップを入れる練習もします。

二枚の板を合わせて、合わせた面にタップの食付きを作った材料です。
(画像左が表面 画像右が裏面)

タップテスト加工材料

もし練習中に折れてしまったり、前にも後ろにもタップが進まなくなったり、不具合があった場合は取り外して穴の中の状態を確認することが出来ます。

タップ加工断面

タップ加工断面の拡大

最後に

加工に使う工具は使えば使うほど鈍くなりますが、技術は使えば使うほど鋭くなり、使っていないと鈍くなります。
手作業でも機械加工でも使っていないと鈍くなる部分があるので、たまには手入れをしましょう。

小径タップや水溶性の切削液などを使った加工でよくある折損事故はロールタップを使うことによって解決できる場合があります。