35度面取り加工後正面写真

半端な角度の面取り加工をするときの使用する工具先端形状の違いによる加工面の違いを紹介します。

加工内容

幅50mmの溝加工部の面取り35度をR3.0(Φ6.0)のボールエンドミルを使って加工します。

35度面取り加工図面

NCプログラムの作成

正面から見た面取り加工の形状をCADで作成し、
面取り加工面の下部と加工に使うボールエンドミルの形状で接円を作成します。

XYの加工位置

面取り加工面とボールエンドミルの接円作成

加工原点から、面取り加工面とボールエンドミルの接する位置の中心距離を確認します。
その数値がXの加工位置と半径になります。

加工原点からボールエンドミル中心の距離測定

その数値を使ってXとYのNCプログラムを作成します。

ボールエンドミル中心距離でNCプログラム作成

Zの加工位置

加工原点から面取り加工面とボールエンドミルの接する位置の先端の距離を確認します。
その数値がZの加工位置になります。

ボールエンドミル先端距離でNCプログラム作成

その数値を使って作成したNCプログラムです。

35度面取り加工用NCプログラム

X23.279Y-5.0 ;
Z1.0 ;
G01Z-5.542F1000 ;
Y25.0F600 ;
G03X-23.279R-23.279 ;
G01Y-5.0 ;
G00Z50.0 ;

残りのNCプログラム作成

これだけだとボールエンドミルの形になります。

ボールエンドミルで面取り加工の一段目
(R6.0のボールエンドミルで一段だけ加工した写真です)

35度になるように段々で加工します。
ボールエンドミルを面に沿って動かす

段々で加工をすると画像のように削り残しがでるので

ボールエンドミルで段々に加工した面の確認

図面に合った面粗度になるように、加工ピッチ、加工回数、削り残し量で検討します。

加工ピッチと加工回数と削り残し量で検討

今回はX方向のピッチを1mmで加工します。

ボールエンドミル間の接点距離測定

前回の1mm外側を加工するNCプログラムを作成します。
Zは0.7mm浅いプログラムになります。

ボールエンドミル中心距離で2段目のNCプログラム作成

X23.279がX24.279
R23.279がR24.279
Z-5.542がZ-4.842
になります。

35度面取り加工用NCプログラム二段目

X1.0mm Z0.7mmを繰り返して加工をすると35度の面取りになります。

R5.0ボールエンドミルで35度面取り加工

工具先端形状の違いによる面の違い

加工に使う工具の先端形状で面が変わります。

Φ6.0のエンドミルを使って同じく1mmのピッチで加工をした場合、山の高さが0.582mmになります。

Φ6.0エンドミルで35度の面取り加工

R3.0のボールエンドミルを使って同じく1mmのピッチで加工をした場合、山の高さが0.031mmになります。

R6.0のボールエンドミルを使って同じく1mmのピッチで加工をした場合、山の高さが0.062mmになります。

Φ6.0エンドミルで35度の面取り加工
続きは後程投稿しますm(__)m