横向きにしたバイスをマシニングセンターに乗せて通り出しの作業を紹介します。
先日、作業したバイスの通り出し作業の少し難しくなった取り付けです。
バイスの通りだ出し作業が出来るようになった人でも『数十分掛かった』『通りが出せなくて相談に来る』なん事があります。
バイスの通り出し作業と同じく、コツさえ掴んでしまえば簡単に出来る作業です。
横向きにバイスを取り付けて通り出し作業
今回は取り付けの作業を省いて、通り出しの作業から書いていきます。
一つ目の通り出し作業
支点(クランプ)から離れた所でテスターを0に合わせて口金の通りを確認します。
バイスの口金50mm間でテスターが0.1mm動きました。
口金から支点(クランプ)まで約80mm間だとテスターは0.16mm動く事になります。
直接テスターで確認できませんが、支点(クランプ)の位置は0.1mmと0.16mmを合わせた0.26mmだろうと予測できます。
支点(クランプ)から離れた所にテスターを動かします。
支点になるクランプ(赤矢印)を締めます。
黄矢印の方にバイスを叩いて0.26mm(緑矢印)まで動かします。
テスターのメモリを0に合わせて通りの確認をします。
これで左側のバイスの通りが出ました。
二つのバイスを同一線上に取り付ける作業
左側のバイスの直線上に右側のバイスを合わせるので、テスターもY軸も動かす事ができません。
テスターもY軸も動かせない、支点に近い位置にテスターも持っていけないので少し難しいです。
左側のバイスでテスターを0に合わせてテスターもY軸も動かさず右側のバイスにテスターを当てます。
(テスターをぶつけないように注意)
バイスの口金50mm間でテスターが0.05mm動きました。
口金から支点(クランプ)まで約80mm間だとテスターは0.08mm動く事になります。
直接テスターで確認できませんが、支点(クランプ)の位置は今の位置-0.02mmから-0.08mmを合わせた-0.1mmだろうと予測できます。
支点(クランプ)の位置は-0.1mmなので、バイスをまっすぐ手前に0.1mm叩いて、支点(クランプ)の位置が0になるように動かします。(テスターのメモリが-0.02mmから0.08mm)
クランプを仮締めして、支点(クランプ)から離れた所に移動します。
バイスを叩いて0まで動かします。
通りの確認をして終了です。
左側との通りを確認した後に直角方向の確認もしましょう。
0.01mmずれていますが加工に支障がない範囲なので、このままにします。
最後に
支点の近くにテスターを当てる事が出来ない場合は、口金だけで通りを出すのではなく、視点になる位置の予測をしましょう。
支点の近くにテスターを当てる事が出来ても、支点から離れた所だけで通りを出す練習はできるので空いた時間にでも練習をして早く自分の技術にしましょう。