バイスをマシニングセンターに乗せて通り出しの作業を画像と動画で紹介します。

バイスに限らず基準出しはフライス加工を行う上での基礎となります。

『数時間掛かった』『通りが出せなくて諦めた』なんて話しを聞きますが、コツさえ掴んでしまえば1分も掛からない簡単な作業です。

簡単な作業ですが、この基準出し作業の精度が直接加工物の精度に影響するので正確に作業できるようになりましょう。

マシンバイスをマシニングセンターに乗せて通り出しの作業

バイスをベッドの上に乗せる

バイスを持ち上げる前に低い位置で安全確認をします。

ベッドの上をウエスを使って掃除、油砥石でベッドの上の傷などの除去、手のひらでゴミや傷がないか確認。

同じく、バイスのベッドとの接地面(赤線部分)をウエスを使って掃除、油砥石で傷などの除去、手のひらでゴミや傷がないか確認。

バイスの裏面に砥石

バイスの掃除をする時はベッドの上でやらないようにしましょう。
せっかく掃除したベッドを汚してしまう原因になります。

バイスに付着した切粉を完全に除去する必要はありませんが、すぐに落ちてしまう所に付着した切粉は除去しましょう。
赤丸部分からバイス内部に溜まった切削油と一緒に切粉が流れ落ちてくる場合もあります。

バイスの穴掃除

付着しているのに気が付かなかったゴミが落ちたり、ベッドやバイスを痛めないようにゆっくりベッドにバイスを乗せましょう。

ベッドの面取りなどを使って目見当で通り出し

バイスの取り付け位置が加工に影響なければ、直接ベッド手前側の面取りに合わせます。

ベッドの面取りで位置決め

直接ベッドの面取りに合わせる事が出来ない場合は、自分の姿勢をベッドの奥側とバイスの口金が合う位置に変えて遠目から目見当で合わせます。

この作業に時間を掛けないようにしましょう。

ベッドの面取り遠目で位置決め

だいたいの位置が決まったら、バイスクランプを使ってクランプする準備をします。

バイスクランプの接地面も油砥石で傷などの除去をします。

バイスクランプに砥石

ピックテスターを使って作業をする前に

ここからは機械でピックテスターを操作するので慎重に作業します。

バイスの口金に一番近くて締めやすいクランプ(下の写真赤矢印)を選び仮締めをして、ここを支点に通り出しをします。

バイスクランプ一か所目

バイスの口金の縁付近は、ぶつけたりして(下の写真赤矢印)歪んでいる可能性があるので、縁付近で通りだしをするのは避けましょう。

通り出しをする時、ピックテスターの当てる量は0.05mm~0.1㎜にします。(青矢印が当たり始め)

写真のように当てる量が多い状態で(0.42mmを指しています)

バイスにピックテスターを当てる

バイスからピックテスターが外れた時に、そのままバイスの方に戻してしまうとピックテスターを破損させてしまいます。
(ピックテスターは横からの力にすごく弱い)

バイスからテスターが外れる

ピックテスターを使って通り出し作業

向かって右側のバイスの通り出しの作業をします。


バイス通り出しのコツ

  • 仮締めしたボルトに近い位置で毎回ピックテスターを0に合わせる
  • 仮締めしたボルトから離れた所に移動してピックテスターの0に向かってバイスを動かす
  • 通り出しが終わりボルトを本締めした後に通りの再確認

二つのバイスを同一線上に取り付ける作業をします。


二丁バイス通り出しのコツ

  • 一つ目のバイスでピックテスターのメモリを0に合わせ、その0を最後まで動かさない
  • 二つ目のバイスへ移動する時バイスの口金にピックテスターをぶつけないように注意
  • 一つ目のバイスで合わせた0にバイスを合わせてから支点になるボルトを仮締めする
  • 通り出しが終わりボルトを本締めした後に二つのバイスで通りの再確認

以上になります。

バイスに取り付け溝があるタイプの注意

取り付け溝があるバイスは取り付け用のボルトと当たらないように注意。

バイス取付位置の偏り

通りだし作業中に動かしすぎて当たってしまう場合があるので、バイスが動かなくなってしまった場合は確認してみましょう。

最後に

最初のうちは難しいと思いますがコツさえ掴めば簡単です。
ずっと必要な作業になるので、空いた時間にでも練習をして早く自分の技術にしましょう。

それと、バイスの通りは必ずしも0で出すとは限ず、取り付ける加工物に合わせて、わざとずらす場合もあります。
自分の思ったように位置出しが出来るようになる事が大事だと覚えておきましょう。

バイスの通り出しが簡単に出来るようになったら
横向きにバイスを取り付けて少し難しい通り出しの作業もやってみましょう。