3Dプリンターを使って作りたいモノをプリントするにはSTL形式の3Dデータが必要になります。
STL形式の3Dデータは
3D CADを使って自分で作成したデータをSTL形式の3Dデータに変換したり、
他の人が作成したSTL形式の3Dデータをダウンロードしたりして用意します。
3D CADは、FUSION360が個人の非商用利用であれば無料で利用でき、
3Dデータのダウンロードサイトから無料や有料でダウンロードすることができます。
今回は3Dデータのダウンロードサイトから無料でダウンロードをしてプリントをしてみます。
使用しているプリンターはPrusa i3 MK3Sです。
こちらのページに特徴など書いてあります。
ダウンロードサイトから無料ダウンロード
3Dデータのダウンロードサイトから無料でダウンロードします。
今回は海外サイトのThingiverseを利用します。
サイト上部の緑枠部で検索をします。
橙枠部では検索条件を設定をすることができます。
条件設定には期間の選択
ジャンルの選択
フィルター設定をすることができます。
直近30日間の1番人気3Dデータをダウンロードしてプリントしてみます。
緑枠部をクリックします。
ダウンロードしたい3Dデータを選択したら
緑枠部のすべてのファイルをダウンロードをクリックします。
ダウンロードをクリックするとダウンロードが開始されます。
緑枠部にライセンス情報が表示されるので確認します。
ライセンス情報の詳細はhttps://creativecommons.jp/licenses/で確認ができます。
今回ダウンロードした3Dデータは
原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示することを主な条件とし、改変はもちろん、営利目的での二次利用も許可される最も自由度の高いCCライセンス。
引用元: CCライセンスの種類
となっているので原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示します。
表示する情報はダウンロードファイルにあります。
ダウンロードしたファイルは緑枠部のZIPファイルなので
解凍して橙枠部のファイルフォルダーを開きます。
ファイルフォルダを開くと
- files
STLファイルの3Dデータ - images
モデルの画像 - LICENSE
ライセンス情報 - README
クレジット
があります。
これでプリントに必要な3Dデータが用意できました。
3DデータをGコードに変換
3Dデータが用意出来たらスライサーというソフトを使ってプリントする条件を設定してGコードに変換します。
マシニングセンタでいうCAMみたいなソフトです。
Gコードって聞くとG00早送りG01切削送りが出てきますが、3Dプリンターを動かすNCプログラムみたいですね。
今回使うソフトはPrusa Slicerというソフトで、自分の使っている3DプリンターPrusa i3 MK3Sを制作している会社のソフトで無料で利用ができます。
互換性があったりするのか分かりませんが、3Dプリンターを購入するときはスライサーソフト込みで検討する必要があります。
ソフトをインストールするとデスクトップ画面にアイコンが表示されるので
ダウンロードしたSTLファイルをドラッグアンドドロップします。
今回利用する3DデータはThingiverseユーザーbraincheckerによって作成され、ccの下でライセンスされています。
stackable crate by brainchecker on Thingiverse: https://www.thingiverse.com/thing:4734271
こちらからダウンロードすることができます。
プリント設定
ファイルをドラッグアンドドロップするとソフト起動して3Dモデルが表示されます。
3Dモデルが表示されたら画面右側で設定をします。
オブジェクト操作
まずはオブジェクト操作でモデルの位置や寸法を設定します。
3Dプリンタの加工範囲からはみ出ている場合は位置を動かしたり縮小したりします。
3Dプリンタの加工範囲にモデルが入っているので変更の必要はありませんが、今回はテストプリントなので縮小してプリントします。
寸法係数でもサイズでも変更することができます。
小さくしすぎるとプリントされない部分などが出てくるので40%でプリントしてみます。
見た目35%で平気そうでしたが目に見えない部分などあるかもしれないので40%にしました。
緑枠部のスライスを実行を選択するとシミュレーション結果が表示されます。
左が100%のスライス結果で右が40%のスライス結果です。
- 100%
使用フィラメント24.08m
予測プリント時間5h18m - 40%
使用フィラメント1.67m
予測プリント時間43m
編集をしているとモデルが非表示になることがあります。
緑枠部の3D編集画面のアイコンを選択すると非表示になったモデルを表示することができます。
条件設定
モデルの配置、寸法などが決まったら緑枠部でプリント条件の設定をします。
- 橙枠部でプリントの設定(プリント条件)
- 青枠部でフィラメントの設定(プリント材料)
- 赤枠部でプリンターの選択(使用する機械)
をします。
プリント設定を選択すると8種類の設定が表示されます。
表示されている数値は積層ピッチで、
上に行くと品質が上がり、時間が増え
下に行くと品質が下がり、時間が減る傾向にあります。
- 0.05mm ULTRADETAIL
プリント時間6h8m - 0.07mm ULTRADETAIL
プリント時間4h26m - 0.1mm DETAIL
プリント時間2h38m - 0.15mm QUALITY
プリント時間1h44m - 0.15mm SPEED
プリント時間1h40m - 0.2mm QUALITY
プリント時間1h19m - 0.2mm SPEED
プリント時間1h17m - 0.3mm DRAFT
プリント時間0h43m
時間がかかっているだけあって面粗度が全然違いますね。
デフォルト設定でプリントをしてプリント内容に問題がある場合は細かく設定することができます。
現在表示されている画面は緑枠部のプレート画面で、そのほかに
画面左上橙枠部のプリント設定
画面左上青枠部のフィラメント設定
画面左上赤枠部のプリンター設定
画面があります。
画面右側橙枠部のプリント設定は、画面左上橙枠部のプリント設定で
画面右側青枠部のフィラメントは、画面左上青枠部のフィラメント設定で
画面右側赤枠部のプリンターは、画面左上赤枠部のプリント設定で細かく設定をします。
その細かい設定にも三段階あり、緑枠部の簡易、Advanced、高度の選択で設定できる変更点が変わります。
画面左上緑枠部で設定変更をしたい項目を選択します。
緑枠部で簡易を選択すると緑の丸が表示されます。
緑枠部のAdvancedを選択すると緑と黄の丸が表示されます。
緑枠部の高度を選択すると緑と黄と赤の丸が表示されます。
今回は
- プリント設定
0.3mm DRAFT - フィラメント
Generic PLA - プリンター
Original Prusa i3 MK3
で、なにも変更せずにプリントします。
モデルの設定
必要に応じて緑枠部でモデルの設定をします。
サポート
今回の3D形状のプリントではサポートを使いませんが、下のような3D形状のツバ部分をプリントするにはサポートが必要になります。
サポートを設定したシミュレーションです。
緑色がサポートになります。
インフィル
インフィルでモデル内部の密度を設定します。
分かりやすく立方体のモデルの断面にしました。
0%にすると壁だけになります。
0%と20%と50%のインフィル比較です。
今回は特に強度が必要ないので初期設定の20%でプリントします。
ブリム
ブリムにチェックを入れるとモデルの周りにモデルとベッドの接地面を増やすプリントをします。
緑色のプリント部分がブリムです。
今回の形状では必要ないですが形状に合わせて設定します。
Gコードに変換
設定が終わったら緑枠部のスライスを実行をクリックしてシミュレーションをします。
スライスを実行すると
緑枠部にスライス情報が表示
橙枠部にプリント時間の詳細が表示
モデルがプリントされた状態になります。
拡大すると細かく確認をすることができます。
確認をして問題がなければ緑枠部のGコードをエクスポートを選択します。
GコードファイルはSDカードに保存します。
SDカードにGコードファイルを保存したら3Dプリンターに挿入します。
3DプリンタにSDカードを挿入したら緑丸部のボタンを押します。
ボタンを押すとメニュー面に変わります。
Print from sdに合わせてボタンを押すとファイル画面に変わるので、
プリントするファイルに合わせてボタンを押します。
プリントするファイルに合わせてボタンを押すと確認画面が出るのでボタンを押すとプリントがスタートします。
緑枠部のノズルとベットの温度が設定した温度になると動き出します。
プリント終了後の画像です。
動画
今回プリントした動画です。
コスト
今回の3Dデータをプリントすると
100%の場合サイズが150×95×55.5です。
フィラメント使用量が24.08mなのでフィラメント代が130.032円
プリント時間が318分なので電気代が12.72円
合計142.752円
40%の場合サイズが60×38×22.2です。
フィラメント使用量が1.67mなのでフィラメント代が9.018円
プリント時間が43分なので電気代が1.72円
合計10.738円です。
フィラメント代1mは約5.4円
電気代は1時間2.4円で計算しました。
今回衣装したフィラメントは、この商品の白色です。
最後に
説明が長くなってしまいましたが
- プリントしたいモデルをダウンロード
- スライサーでGコードに変換
- プリント開始
と簡単にプリントすることができます。
(プリンタートラブルには手間と時間がかかります。)
今回利用したダウンロードサイトのThingiverseには、現場でも使えそうなもの結構あるので、
3Dプリントしない方でも参考にフライス加工で作ることができるかと思います。